

子どもが辛いときこそが、実は塾にとってのビジネスチャンスであるという現実もある。「○×塾の個別指導部門からお電話させていただいております」。成績が不振だったり、塾生やその親が今の状況に何か渇望感を抱いている時期にそんな電話がくることがある。とくに大手の塾に多いが、子どもの個人情報と成績はデータベース化されてコンピュータで管理されている。ちょっとした成績のアップダウンもパソコンのキーボードをちょっと操作すればすぐに分かる。少しでも成績が下がると件のような電話が自宅にかかってくる。「○×塾に通っていらっしゃるお宅様の××さん、算数の成績がいま一歩伸び悩んでいるようなので、個別指導を受けられて補強を行ったほうがよいかと思いましてお電話差し上げました。弱いのは算数だけなのですが、いつも受講いただいている集団授業だけでカバーするのはなかなか難しいと思います。ですから算数だけ個別指導をご利用いただいたほうが成績アップにつながるかと思います」。そんな言葉を聞かされる。個別指導だけでなく、家庭教師部門があるところからは家庭教師の利用を促される場合もある。集団授業ではダメなのか、個別のほうが伸びやすいのか。親の不安を増大させつつ同時に代替商品を紹介していく。逆に成績が良くなれば良くなったで、志望校別対策授業の参加を促される。成績が上がっても落ちてもお金がかかることになるのが中学受験塾なのだ。
大学受験の勝者、とくに要領型ではなく、まじめな学校秀才型の受験の勝者の人たちが陥りやすい思考パターンに完全主義、満点主義がある。実は、我々のようにメンタルヘルスに従事するものにとって、完全主義や満点主義は以前から矯正すべきと考えられていたものだ。いったん、満点主義に陥ってしまうと、ちょっとした欠点やミスが許せなくなってしまって、自分を責める原因になる。何事にも完全を求めるから、過労の原因にもなりがちだ。我々の行うカウンセリングでも、満点主義、完全主義を解消して、そこそこでいいと思えるように患者さんを仕向けていくことが、うつ病や不安神経症、強迫神経症の治療では重要視されているし、またこのような考え方の変化で、これらの心の病の再発予防ができるとされている。そして、受験というのは、よりよい点をとること、ミスを許さず、苦手なものをなるべく完全に克服していくことが求められるから、満点主義を生みやすいという批判は強い。
英会話スクールや通訳翻訳学校、さらに通信教育を利用する場合に大切なことは、教えてもらうこと、提供されるものだけに満足しないことです。自分がめざす仕事に必要な力は何かを自分で調べ判断し、教えられる内容はどの部分を助けてくれるものなのかをはっきり認識しましょう。そして足りないものは自分で補うのです。学校べったりでプロになった人はまずいないはずです。良心的なところであっても、こういう教育産業は、お客様に一定の満足感を与えてリピートしてもらい受講料をどんどん収めていただくというビジネスです。たとえば年間10万円の授業料を1000人の人が払えば1億の売り上げになるのですから、人件費や設備費を差し引いてもなかなかおいしい商売のように思えます。通信教育などは、受講しても修了するのは3割だという話も耳にします。語学を仕事とするなら、実際に仕事をはじめてからも自己研鐙が欠かせません。勉強中から自分なりの学び方や、力の伸ばし方のスタイルを工夫し確立する努力が大事ではないでしょうか。はじめから人が敷いてくれたレールの上を走るような勉強方法を選び、それに頼りきりという依存心の強い人が、将来プロとしてやっていけるとは思えません。スクールが与えてくれるのは、もしかしたら勉強をつづける刺激や励ましだけかもしれないのです。最初に自分か求めるものをはっきりさせて、主体的に英会話スクールや通信教育を利用しましょう。
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